ヨタカ [夜鷹]
Caprimulgus indicus
枯葉に化ける夜の狩人
ヨタカは、ヨタカ目ヨタカ科に属する夜行性の鳥で、日本に飛来するヨタカ目としては唯一の種です。宮沢賢治の童話『よだかの星』の主人公としても知られています。全身が枯葉のような複雑な模様に覆われた見事な保護色を持ち、昼間は木の枝や地面でじっとしていると周囲に完全に溶け込みます。大きく開く口で飛びながら昆虫を捕まえる独特の採餌方法を持ちます。生息環境の減少から環境省レッドリストでは準絶滅危惧に指定されています。
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分類
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英名Grey Nightjar
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大きさ全長約29cm
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羽の色
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寿命野生下で約5-10年
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保全状況環境省レッドリストでは「準絶滅危惧(NT)」に指定
中国東部、ロシア南東部、朝鮮半島で繁殖し、冬季はインドシナ半島、インドネシア、フィリピンなどへ渡ります。日本では九州以北に夏鳥として飛来します。伊豆諸島や南西諸島では渡りの途中に旅鳥として見られます。
主に標高2000m以下の山地帯の森林に生息します。明るい落葉広葉樹林やマツ林を好み、地面が乾いた環境を好みます。渡りの時期には農地や都市公園でも観察されることがあります。
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行動・習性
夜行性で、日没前後からの数時間が最も活発な採餌時間です。昼間は木の枝に対して平行に止まって休んでいます。羽音を立てずにヒラヒラと舞うように飛び回り、大きな口で飛翔性の昆虫を捕食します。巣の近くに敵が来ると、擬傷行動で敵の注意をそらして卵や雛を守ります。
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さえずり
「キョキョキョキョ…」と低い声で長く小刻みに鳴き続けるのが最も特徴的なさえずりです。この独特な鳴き声は、古くから「キュウリキザミ」「ナマスタタキ」などの別名の由来となっています。威嚇時には「フーッ」という声を出します。
動物食で、主に飛翔性の昆虫を食べます。ガ、ゴミムシ、ゲンゴロウ、カワトビケラ、カメムシなどを、大きな口を捕虫網のように使って飛びながら捕食します。
繁殖期は5月〜8月で、6月頃が産卵の最盛期です。巣材は使わず、林縁の地上に浅い窪みを作って直接産卵します。1回に1〜2個の卵を産み、抱卵期間は17〜19日です。雛は孵化後約15日で飛べるようになります。