ヤマシギ [山鷸]
Scolopax rusticola
落ち葉に溶け込む森のシギ
ヤマシギは、チドリ目シギ科に属する鳥で、シギの仲間でありながら水辺ではなく森林を主な生息地とする異色の存在です。夜行性で保護色に優れた羽毛を持ち、日中は林床でじっと身を潜めています。両目が頭部の後方上部に位置しており、ほぼ360度の視野を持つという驚くべき特徴があります。古くから狩猟鳥として珍重され、芥川龍之介の短編『山鴫』やトルストイの逸話にも登場するなど、文学にも縁の深い鳥です。アイヌ文化ではウバユリを掘る道具に似たくちばしから「トゥレプタチリ」と呼ばれ、カムイユーカラにも登場します。
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分類
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英名Eurasian Woodcock
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大きさ全長約34cm
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羽の色
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寿命野生下で約5-10年
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保全状況指定なし
ユーラシア大陸の中緯度地域で広く繁殖し、冬季はヨーロッパ南部やインド、東南アジアなどで越冬します。日本では北海道から九州まで記録があります。
落葉広葉樹林や針葉樹林の林床を好み、湿った地面のある森林環境に生息します。非繁殖期には竹林や雑木林、農耕地周辺の湿地にも現れます。
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行動・習性
夜行性で、日中は林床でじっと動かず、夕暮れから活動を開始します。驚くと足元から不意に飛び立つことがあり、飛び立つ際には羽音を立てます。非繁殖期には単独で行動し、地面を歩きながら餌を探します。
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さえずり
繁殖期の夕方に林の上空を独特の不規則な羽ばたきで飛び回りながら「チキッ、チキッ」と鋭い声で鳴き、その間に「ウー」という低い声を出します。このディスプレイフライトは「ローディング」と呼ばれます。
主にミミズを好んで食べるほか、昆虫類やその幼虫、甲殻類なども捕食します。長いくちばしを地中に差し込んで獲物を探し出します。
繁殖期は春から夏にかけてです。よく茂った林の地上に落ち葉を集めた簡単な巣を作り、3〜5個の卵を産みます。体の色が落ち葉と見分けにくいため、抱卵中は外敵に見つかりにくくなっています。