メグロ [目黒]
Apalopteron familiare
小笠原だけに暮らす黒い仮面の島鳥
メグロは、スズメ目メジロ科メグロ属に属する小鳥で、小笠原諸島の母島列島にのみ生息する世界的にも極めて珍しい固有種です。本種のみでメグロ属を形成しており、1977年に国の特別天然記念物に指定されています。メジロに似た姿をしていますが、目の周りの逆三角形の黒い模様が最大の特徴で、和名の由来にもなっています。飛翔力を持ちながらも隣の島へ移動しないという不思議な生態を持ち、わずか数キロしか離れていない島の間でも遺伝的な差異が確認されています。母島ではメジロに混じって林道沿いでも比較的容易に見ることができます。
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分類
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英名Bonin White-eye
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大きさ全長約14cm
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羽の色
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寿命野生下で約5-8年
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保全状況環境省レッドリストでは「絶滅危惧IA類(CR)」に指定
小笠原諸島の母島、向島、妹島の3島にのみ分布する固有種です。かつては聟島列島にも生息していましたが、太平洋戦争の影響で絶滅しました。
小笠原諸島母島列島の常緑広葉樹林に生息し、母島固有の樹木による森林内を好みます。外来種が繁茂する林では繁殖しない傾向があります。
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行動・習性
ペアまたは小群で行動し、木の幹から地面まで幅広く移動しながら餌を探します。メジロと一緒に行動することも多く、幹にぶら下がったり、樹皮の隙間を探ったりする姿が観察されます。冬季には群れを形成することもあります。警戒心が薄く、人間のすぐ近くまでやって来ることがあります。
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さえずり
「フィーヨ」「デーーュ」という笛のような澄んだ声で鳴きます。よく鳴く鳥で、母島の森ではその声が頻繁に聞かれます。金属的な短い声を出すこともあります。
雑食性で、昆虫やクモのほか、花の蜜、熟した果実、花粉などを食べます。特にパパイアの実を好み、樹皮の隙間にいる昆虫を舌で捕まえることもあります。
繁殖期は4月〜6月です。地上1〜10メートルの高さにある樹上に、タコノキなどの繊維や羽毛、獣毛を組み合わせたお椀状の巣を作ります。1回に2〜4個の卵を産み、雌雄交代で抱卵します。抱卵期間は10〜14日間です。