ヘラサギ [箆鷺]
Platalea leucorodia
しゃもじ型のくちばしで水辺を探る白い大型鳥
ペリカン目トキ科に属する大型の水鳥で、先端がヘラのように幅広くなった独特のくちばしが最大の特徴です。シラサギ類に似ていますが、ダイサギよりも首が短く胴が太いため頑丈な印象を受けます。飛翔時にはサギ類と異なり首を伸ばして飛ぶことで見分けることができます。近縁種のクロツラヘラサギと行動を共にすることが多く、両種を同時に観察できることもあります。夏羽では後頭部に黄色い冠羽が現れますが、日本では冬鳥のため冠羽のある姿を見る機会はほとんどありません。
動画
この動画ではヘラサギの自然な行動や鳴き声を観察できます。
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分類
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英名Eurasian Spoonbill
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大きさ全長約86cm
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羽の色
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寿命野生下で約10-15年
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保全状況指定なし
ユーラシア大陸中部とインドで繁殖し、冬季はアフリカやペルシア湾沿岸、中国南部などで越冬します。日本には数少ない冬鳥として北海道から南西諸島まで各地で記録がありますが、九州での観察が比較的多いです。
干潟、河口、河川、湖沼、水田、ため池など様々な水辺環境に生息します。浅瀬での採餌を好み、警戒心が強く人をなかなか近づけません。
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行動・習性
浅瀬でヘラ状のくちばしを水中に入れ、左右に振りながら獲物を捕らえます。集団で追い込み漁のような採餌行動をとることもあります。飛翔時は首と脚を伸ばしたままゆっくりと羽ばたき、上昇気流に乗って滑空することもあります。短距離の場合は水中を泳いで渡ることもあります。
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さえずり
コウノトリと同様に上下のくちばしを叩き合わせて「カタカタ」という音を出すことがあります。繁殖地以外ではほとんど鳴き声を聞く機会はありません。
水中の小魚、エビやカニなどの甲殻類、水生昆虫などを食べます。ヘラ状のくちばしに触れた獲物を素早く捕らえる独特の採餌法を持っています。
繁殖地では内陸の湖沼や河川沿いの樹林にコロニーを形成して営巣します。ヨシや枝、草などを積み上げて巣を作ります。日本では繁殖しません。