ベニアジサシ [紅鰺刺]
Sterna dougallii
南国の海を赤い嘴で彩るアジサシ
ベニアジサシは、チドリ目カモメ科に属する中型のアジサシの仲間です。繁殖期には嘴と足が鮮やかな赤色になり、体の下面が淡いピンク色を帯びることから「紅鯵刺」の名が付けられました。世界的に広く分布する種ですが、日本では主に南西諸島で繁殖する夏鳥です。集団性が非常に強く、数十から数百巣のコロニーを形成して繁殖します。福岡県大牟田市沖の三池島(人工島)での繁殖は北限に近い記録として注目されています。サンゴ礁の浅海域で小魚を空中からダイビングして捕らえる姿は、南の海の風物詩です。
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分類
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英名Roseate Tern
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大きさ全長約38cm
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羽の色
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寿命野生下で約10-15年(最長25年以上の記録あり)
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保全状況環境省レッドリストでは「絶滅危惧II類(VU)」に指定
世界的に広く分布し、ヨーロッパ北西部、アフリカ東部、インド洋、東南アジア、オーストラリア、北アメリカ東岸、カリブ海などで繁殖します。日本では亜種ベニアジサシが奄美群島、沖縄諸島、八重山諸島で夏鳥として繁殖します。福岡県大牟田市の三池島でも繁殖が確認されています。
亜熱帯から熱帯の沿岸域に生息し、サンゴ礁や内湾の浅海域で採餌します。繁殖は無人島や小島の砂浜、岩礁、サンゴ礫の浜で行います。
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行動・習性
アジサシ類の中でも特に集団性が強く、繁殖の同調性も強いです。採餌時にはホバリングしながら水面を探索し、8〜12メートルの高さから海中にダイビングして小魚を捕らえます。非繁殖期も群れで行動し、航路標識や岩礁に並んで休む姿が見られます。年によって繁殖地を変えることがあります。
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さえずり
「キーッ」「キッキッ」「キュィ」などと鳴きます。コロニーへの侵入者に対しては「ギュィーッ」と強く鳴いて急降下してモビング(威嚇行動)を行います。繁殖地では常ににぎやかです。
主にトウゴロウイワシ類、キビナゴ類など海の表層に群れる小魚を捕食します。トビウオやダツ・サヨリ類の幼魚、イカ類も食べます。
繁殖期は6月〜8月。沿岸域や内湾の小島の砂浜、岩礁、サンゴ礫の浜に数十から数百巣のコロニーを形成します。地上の窪みに1〜2個の卵を産みます。雌雄交代で約21〜26日間抱卵し、雛は約27〜30日で巣立ちます。一夫一妻で繁殖します。