ハチクマ [蜂熊]
Pernis ptilorhynchus
スズメバチをも恐れぬ蜂食いの猛禽
ハチクマは、タカ目タカ科ハチクマ属に属する猛禽類です。和名は「蜂を食うクマタカに似た鳥」に由来します。最大の特徴はスズメバチやアシナガバチなどの蜂の巣を襲って幼虫や蛹を食べるという独特の食性です。硬く密集した鱗状の羽毛が蜂の毒針から身を守り、さらにハチの攻撃性を奪う何らかの仕組みを持つと考えられていますが、詳しいメカニズムはまだ解明されていません。繁殖期には「バンザイパタパタ」と呼ばれる独特の求愛ディスプレイを行うことでも知られています。
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分類
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英名Oriental Honey Buzzard
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大きさ全長約59cm
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羽の色
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寿命野生下で約10-15年
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保全状況環境省レッドリストでは「準絶滅危惧(NT)」に指定
ユーラシア大陸東部の温帯から亜寒帯にかけて広く分布します。日本では初夏に夏鳥として渡来し、北海道と本州の低山帯の森林で繁殖します。秋には九州を経由し、東南アジアへ渡って越冬します。
丘陵地から山地にかけての落葉広葉樹林やアカマツなどの針葉樹林に生息します。標高1500m以下の低山帯の森林で繁殖します。
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行動・習性
繁殖期には急上昇した後、両翼を垂直に立てて先端をパタパタと叩き合わせる「バンザイパタパタ」と呼ばれる独特の求愛ディスプレイを行います。蜂の巣を見つけると大きな足で地中の巣を掘り起こし、幼虫や蛹を食べます。毎年同じ巣を使うため、巣は年々大きくなります。
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さえずり
「ピューウ」とトビに似た透き通った声で鳴きます。トビよりも短く澄んだ鳴き声です。ただし個体数が少なく、威嚇声や警戒声をほとんど出さないため、鳴き声を聞く機会は少ないです。
動物食で、スズメバチやアシナガバチなどの蜂の巣から幼虫や蛹を好んで食べます。特にクロスズメバチの地中の巣を足で掘り起こして捕食します。蜂が少ない時期にはカエル、ヘビ、昆虫、小鳥なども食べます。
産卵期は6月頃です。アカマツやカラマツなどの樹上10~25mの高さに、木の枝を束ねて産座に松葉を敷いた椀状の巣を作ります。通常2個の卵を産み、オスとメスが交代で28~35日間抱卵します。毎年同じ場所に戻って繁殖し、同じ巣をベースに使います。