ハクガン [白雁]
Anser caerulescens
天使の舞と呼ばれる純白の使者
ハクガンは、全身が真っ白で翼の先端一部分だけが黒い姿をした美しいガンです。その飛び立つ姿は「天使の舞」と評され、舞い降りる様子がまるで雪のようだと言われています。江戸時代には度々絵画に登場するほど親しまれていましたが、乱獲により1940年代までに日本の越冬個体群は絶滅したと考えられていました。しかし、1993年より国際共同計画としてハクガン復元計画が実行され、飛来数は増加傾向にあります。北極圏のツンドラ地帯で繁殖し、冬季は温暖な地域へ渡る長距離の渡り鳥です。
動画
この動画ではハクガンの自然な行動や鳴き声を観察できます。
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分類
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英名Snow Goose
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大きさ全長約72cm
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羽の色
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寿命野生下で約10-20年
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保全状況指定なし
カナダ北部、アラスカ州、シベリア東部で繁殖し、冬季になると北アメリカ大陸西部へ南下し越冬します。日本には越冬のためごく稀に飛来する冬鳥で、かつては多数飛来していましたが一時絶滅状態となり、現在は復元計画により徐々に増加しています。
湖沼、河川、内湾などの水辺に生息します。海岸沿いの沼地や湾、湿性の草原などで越冬します。視界の開けた草原や淡水の湖、沼、湿原、水田なども利用します。
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行動・習性
常に集団で生活しており、繁殖期を終えると7000羽にも及ぶ大きな群れになることがあります。V字型の編隊で飛行し、空気抵抗を抑えながら長距離を移動します。とても警戒心が強く、100メートル程度近づいただけで飛び立つことがあります。一生つがいの相手を変えません。
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さえずり
「クワックワッ」と耳障りな声で鳴きます。群れで飛ぶ際には鳴き声を上げながら飛行し、互いにコミュニケーションをとっています。
植物食で、植物の葉や根、球根、水生植物などを食べます。土を掘って植物の根や球根をとったり、地上に出ている芽や葉、稲の落穂なども食べます。湿った土からだけでなく浅瀬からも採餌します。
繁殖期は5-6月。北極圏のツンドラ地帯で繁殖します。地上の浅いくぼみに植物の葉を敷いて綿毛で内張りした巣を作り、4-5個の卵を産みます。抱卵期間は22-24日で、メスのみが抱卵します。ヒナは孵化後24時間以内に自力で泳ぎ、エサを取ることができます。