トモエガモ [巴鴨]
Sibirionetta formosa
顔の巴模様が美しい冬の大群
トモエガモは、カモ科に属する中型のカモで、オスの顔にある黄白色と緑色の巴模様が名前の由来です。奈良時代には「あぢ」と呼ばれ、江戸時代から現在の名で親しまれています。1970年代から世界的に激減し絶滅危惧種に指定されていましたが、近年は日本への越冬個体数が急増し、数万羽から十万羽を超える大群が観察されるようになりました。超過密の群れを作り、一斉に飛び立つ姿は圧巻です。
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分類
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英名Baikal Teal
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大きさ全長約40cm
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羽の色
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寿命野生下で約10-15年
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保全状況環境省レッドリストでは「絶滅危惧II類(VU)」に指定
東部シベリアで繁殖し、日本、韓国、中国東部で越冬します。日本には冬鳥として10月〜3月頃に渡来し、日本海側を中心に全国で見られます。近年は千葉県印旛沼や長崎県諫早湾などで大群が観察されています。
湖沼、池、ダム湖、河川、湿地、水田など、樹林に囲まれた比較的大きな水域を好みます。日中は水面で休息し、夜間に水田などで採餌します。
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行動・習性
日中は湖沼の中央部でトモエガモだけの非常に密な群れを作って休息します。群れでは周辺部の個体が中央に向かって移動する行動が見られます。夕方になると一斉に採餌場所へ飛び立ちます。
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さえずり
オスは「コロ、コロ、コロ」と澄んだ声で鳴き、メスは「グワッ、グワッ」と低い声で鳴きます。
雑食性ですが、主にイネ科やタデ科の種子、植物片などを食べます。夜間に水田や湿地に出て落ち穂などを採餌します。
繁殖期は4月〜7月。シベリアの河川沿いの草むらに営巣し、6〜9個の卵を産みます。メスのみが抱卵し、約25日で孵化します。