ツクシガモ [筑紫鴨]
Tadorna tadorna
赤い嘴と白黒茶の鮮やかな大型カモ
ツクシガモは、カモ目カモ科に属する大型のカモです。和名は主な越冬地である有明海周辺の「筑紫(九州北部)」に由来します。白・黒・茶の鮮やかな羽色と赤い嘴が特徴的で、他のカモとは一線を画す美しさを持っています。干潟の泥の中から小さな貝類を漉し取って食べる独特の採餌行動が見られます。日本への渡来数は減少傾向にあり、絶滅危惧II類に指定されています。
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分類
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英名Common Shelduck
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大きさ全長約63cm
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羽の色
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寿命野生下で約10-15年
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保全状況環境省レッドリストでは「絶滅危惧II類(VU)」に指定
ヨーロッパ北部からアジア中央部で繁殖し、地中海地域、インド、中国東部、朝鮮半島南部などで越冬します。日本には冬鳥として渡来し、特に有明海を中心とした九州北部で渡来数が多いです。近年は瀬戸内海や大阪湾にも拡散する傾向があります。
塩水性の干潟や河口、浅瀬のある海岸に生息します。泥深い干潟の水路や水を張った水田でも見られます。
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行動・習性
干潟を歩きながら、嘴で泥の表層を漉し取るようにして餌を探します。繁殖後の換羽期には数千羽の大群に集まり、番の形成は冬の群れの中で行われます。雛はクレイシ(託児集団)を形成し、100羽ほどが集まって育つこともあります。
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さえずり
オスは「コロー、コロー」と鳴き、繁殖期には「ウィー、オー」と口笛のような声を出します。メスは「アク、アク、アク」と繰り返し鳴きます。普段はあまり鳴きませんが、繁殖地では騒がしく鳴きます。
海藻、水生昆虫、軟体動物、甲殻類、小魚などを食べます。干潟の泥の表層を漉し取り、主にミズツボ科の小さな貝類を中心に摂食します。二枚貝や有孔虫、カイアシ類なども食べます。
繁殖期は4〜7月で、一夫一妻で繁殖します。樹洞、岩の割れ目、哺乳類の巣穴など様々な穴の中に営巣します。8〜10個の卵を産み、メスのみが約29〜31日間抱卵します。雛は早成性で、45〜50日で独立します。