チュウシャクシギ [中杓鷸]
Numenius phaeopus
下に曲がった嘴でカニを捕る旅鳥
チュウシャクシギは、チドリ目シギ科に属する中型のシギです。和名の「中杓」は、大きく下に曲がった嘴の形状が杓子(しゃくし)に似ていることに由来し、ダイシャクシギより小さいことを示しています。春の渡りの時期には干潟や水田に多数が飛来し、長い嘴を使ってカニを器用に捕らえる姿が観察できます。透き通った声で鳴きながら群れで飛ぶ姿は、渡りの季節の風物詩です。
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分類
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英名Whimbrel
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大きさ全長約42cm
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羽の色
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寿命野生下で約10-15年
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保全状況指定なし
ユーラシア大陸と北アメリカの寒帯から亜寒帯で繁殖し、冬季はアフリカ、中東、インド、オーストラリアなど広い地域で越冬します。日本へは旅鳥として春(4〜5月)に多数渡来しますが、秋の記録は比較的少ないです。南西諸島では少数が越冬します。
干潟や河口、水田、川岸、海岸の岩場など幅広い水辺環境に生息します。渡りの時期には数羽から数十羽の群れで見られます。
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行動・習性
渡りの時期には群れで行動し、干潟や水田を歩き回って餌を探します。長い嘴を泥の中に差し込み、こじるようにしてカニなどを掘り出します。夕方には数百羽の大群でねぐらに集まることもあります。
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さえずり
「ホイピピピピピピピ」と透き通った声で鳴きます。この特徴的な鳴き声は覚えやすく、識別に役立ちます。飛翔中に群れで鳴き交わす姿がよく見られます。
長い嘴を使って干潟の泥の中からカニなどの甲殻類を捕食します。カニを捕らえると振り回して足をバラバラにしてから呑み込みます。ナメクジ、ミミズ、小魚、昆虫、草地のベリーなども食べます。
繁殖期は6〜7月で、繁殖地のツンドラでは一夫一妻で繁殖します。地上の乾いた場所に窪みを作り、植物片で内張りした巣を作ります。通常4個の卵を産み、両親が約27〜28日間抱卵します。雛は早成性で、35〜40日で独立します。