クロツラヘラサギ [黒面箆鷺]
Platalea minor
しゃもじ型のくちばしを持つ希少な水鳥
クロツラヘラサギは、ペリカン目トキ科に属する大型の水鳥で、東アジアにのみ生息する世界的な絶滅危惧種です。名前の「クロツラ」は顔の黒い部分、「ヘラサギ」はしゃもじのような形のくちばしに由来します。1990年代には世界で約300羽まで減少しましたが、アジア各国の保全活動により個体数は回復傾向にあり、現在は約7000羽が確認されています。福岡県では冬の風物詩として親しまれ、初飛来はニュースでも取り上げられます。
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分類
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英名Black-faced Spoonbill
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大きさ全長約74cm
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体重1600g
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羽の色
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寿命野生下で約15〜20年
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保全状況環境省レッドリストでは「絶滅危惧IB類(EN)」に指定
朝鮮半島西岸部、遼寧省沿岸部、ロシア沿海州で繁殖し、冬季は中国南部、台湾、香港、日本、ベトナムなどで越冬します。日本には主に九州や沖縄に飛来し、博多湾や有明海、沖縄の漫湖などが主要な越冬地です。
干潟、河口、河川、湖沼、水田など浅い水辺に生息します。採餌は浅瀬で行い、休息時は人が近づけない場所をねぐらにします。
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行動・習性
群れで行動し、浅い水中にくちばしを入れて左右に首を振りながら歩き、くちばしに触れた獲物を捕らえます。この独特の採餌行動は見ていて愛らしいです。集団で追い込み漁のような採餌をすることもあります。ヘラサギと混群を形成することが多いです。
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さえずり
繁殖地では低い声で「グァー」と鳴くことがありますが、越冬地ではほとんど鳴きません。
魚類(ボラ、ハゼ、シラウオなど)、甲殻類(カニ、エビ、アミなど)、貝類、昆虫類などを食べます。カブトガニの幼生を食べることもあります。
繁殖期は6月〜7月頃。朝鮮半島などの無人島の岩壁に、枯れ枝で皿形の巣を作ります。一腹卵数は4〜6個で、雌雄で抱卵します。