エリグロアジサシ [襟黒鰺刺]
Sterna sumatrana
南国の海を舞う白い妖精
エリグロアジサシは、チドリ目カモメ科に属する中型のアジサシ類で、インド洋から西太平洋にかけて分布する典型的な熱帯性の海鳥です。日本は分布の北限にあたり、奄美大島以南の南西諸島で繁殖します。和名は「襟黒」で、後頭部(人でいう襟足)が黒いことに由来します。白い体と優雅な飛翔姿は南国の海に映え、沖縄の夏を象徴する鳥として親しまれています。近年は異常気象やレジャーによる繁殖地への人の接近などで数を減らしており、絶滅危惧II類に指定されています。
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分類
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英名Black-naped Tern
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大きさ全長約32cm
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体重90g
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羽の色
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寿命野生下で約10-15年
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保全状況指定なし
インド洋、太平洋南西部、東南アジアの島々、オーストラリア北部で繁殖。日本では夏鳥として奄美大島以南の南西諸島(沖縄本島、宮古島、八重山諸島など)に渡来し繁殖。本州以北では迷鳥として稀に記録される。
海岸の岩礁や小島、珊瑚礁の周辺海域に生息。繁殖地は人が近づきにくい無人島の崖や岩礁上。
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行動・習性
海面上を軽やかに飛び回り、獲物を見つけるとホバリングしてから急降下して捕食する。海面近くを飛びながら嘴で獲物をつまみ取ることもある。小さなコロニーを形成して繁殖する。
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さえずり
「キリッキリッ」「キュリッ」などと高い声で鳴く。繁殖地では仲間同士で鳴き交わす。
動物食で、魚類や甲殻類を捕食する。海面近くを飛翔しながら、または空中静止(ホバリング)してから急降下して獲物を捕らえる。
繁殖期は5月〜9月。海岸から離れた小島や磯のくぼみに巣を作り、数羽から30羽程度の小さな集団で営巣する。1〜2個の卵を産み、雌雄で約23日間抱卵。雛は約28日で巣立つ。