エトピリカ [花魁鳥]
Fratercula cirrhata
美しいくちばしを持つ絶滅危惧の海鳥
エトピリカは、チドリ目ウミスズメ科に属する海鳥で、アイヌ語で「くちばし(etu)が美しい(pirka)」という意味の名を持ちます。鮮やかなオレンジ色の大きなくちばしと、夏羽の白い顔、黄色い飾り羽が特徴的で、「花魁鳥」という別名もあります。世界的には北太平洋に350万羽以上が生息しますが、日本国内では絶滅危惧IA類に指定され、繁殖地の北海道東部では2021年に繁殖つがいが確認されないなど、深刻な状況にあります。潜水が得意で、翼を使って水中を泳ぎ魚を捕らえます。
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分類
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英名Tufted Puffin
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大きさ全長約39cm
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体重780g
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羽の色
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寿命野生下で約15-20年
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保全状況環境省レッドリストでは「絶滅危惧IA類(CR)」に指定
北太平洋の亜寒帯海域に広く分布。アメリカ西海岸からアラスカ、アリューシャン列島、カムチャツカ半島、千島列島で繁殖。日本では北海道東部のユルリ島・モユルリ島が繁殖地だが、近年繁殖は確認されていない。非繁殖期は北太平洋の外洋で越冬。
一年の大半を陸地のない外洋で過ごし、繁殖期のみ海岸の断崖や離島に上陸する。険しい崖の上部や草地に穴を掘って営巣する。
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行動・習性
潜水が非常に得意で、翼と足を使って水深10m程度まで潜り、魚を追いかけて捕らえる。飛ぶときは短い翼を素早くはばたかせ、海面近くを直線的に飛ぶ。体が重いため水面から急に飛び立てず、滑走してから離水する。
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さえずり
「クルルルルル」という声で鳴く。繁殖地では低いうなり声を出すこともある。
潜水してイカナゴ、シシャモ、スケソウダラなどの魚類、小型イカ類、オキアミ類を食べる。親鳥は数匹の魚をくちばしにくわえて雛に運ぶ。
繁殖期は4月〜8月。海岸の崖上部の草地に奥行き最大1m、直径約20cmの穴を掘って営巣。1個の卵を産み、雌雄交替で約45日間抱卵。雛は約45日で巣立つ。一夫一妻制。