イスカ [交喙]
Loxia curvirostra
上下の嘴が交差した松ぼっくりの達人
「イスカの嘴の食い違い」という慣用句の由来となった鳥で、上下の嘴が交差した独特の姿をしています。この特殊な嘴は松ぼっくりの鱗片をこじ開けて種子を取り出すために進化したもので、生まれたての雛の嘴はまっすぐですが、成長とともに交差していきます。ヨーロッパではキリストの十字架の釘を抜こうとして嘴が曲がったという伝承があり、幸運の鳥とされています。
動画
この動画ではイスカの自然な行動や鳴き声を観察できます。
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分類
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英名Red Crossbill
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大きさ全長約17cm
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体重40g
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羽の色
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寿命野生下で約5-10年
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保全状況指定なし
ヨーロッパ、アジア北部、北アメリカの針葉樹林帯に広く分布。日本には主に冬鳥として九州以北に渡来しますが、年によって渡来数に大きな変動があります。北海道や本州中部の山地で少数が繁殖することもあります。
針葉樹林に生息し、マツ、トウヒ、カラマツなどの森林を好みます。餌となる球果の実り具合によって生息場所を変えるため、神出鬼没な印象があります。
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行動・習性
数羽から数十羽の群れで行動し、針葉樹の樹冠部で松ぼっくりを食べます。交差した嘴を球果の鱗片の隙間に差し込み、嘴を閉じることで鱗片をこじ開けて種子を取り出します。地上に降りて水を飲む姿がよく観察されます。
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さえずり
「キョッキョッ」「ピッピッ」と鳴きながら飛び、止まると「ケーケー」「ビュリュン」という声も出します。繁殖期のオスは「ピピピピー」など様々な声でさえずります。群れでいるときは賑やかにおしゃべりし合います。
主にマツ類の種子を食べます。アカマツ、クロマツ、カラマツ、エゾマツ、トドマツなど様々な針葉樹の球果から種子を取り出して食べます。ハンノキやブナ、カエデの種子、昆虫なども食べることがあります。
繁殖期は主に冬から春(11月〜4月頃)で、球果の実りに連動するため、積雪期に繁殖することもあります。針葉樹の茂みの中に枯れ枝で椀状の巣を作り、3〜4個の卵を産みます。抱卵期間は約13〜16日、雛は約14日で巣立ちます。