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キツツキ科

アリスイ [蟻吸]

Jynx torquilla

大きさ : 全長約18cm
観察時期 : 6月、10月~3月

10cmもの長い舌でアリを絡め捕るキツツキの異端児

キツツキの仲間でありながら、木に穴を掘らず、幹に垂直に止まることもしない変わり者です。和名の「蟻吸」は、長い舌でアリを絡め捕る様子がまるで吸っているように見えることに由来しています。敵に襲われると首をくねらせて蛇のように威嚇し、英名の「Wryneck(首をねじる)」もこの行動に由来しています。

動画

この動画ではアリスイの自然な行動や鳴き声を観察できます。

  • 分類
  • 英名
    Eurasian Wryneck
  • 大きさ
    全長約18cm
  • 体重
    35g
  • 羽の色
    全身が灰褐色で、背面には褐色や黒褐色の複雑な波状の斑紋があり、樹皮や枯れ木によく似た保護色をしています。腹部は白っぽく、過眼線から肩にかけて黒い斑点が伸びています。嘴は細く尖り、虹彩は褐色。頭部の羽毛を立てているときと寝かせているときで印象が大きく変わります。
  • 寿命
    野生下で約5-10年
  • 保全状況
    指定なし

ユーラシア大陸に広く分布。日本では北海道と東北北部で夏鳥として繁殖し、本州中部以西では冬鳥として越冬します。関東地方から九州地方まで越冬期に観察されますが、個体数は多くありません。

アリスイの分布図
繁殖地
越冬地
通過地

平地から低山地の林縁、河川敷、農地などに生息します。繁殖期は疎林や草原が混じる環境を好み、越冬期にはヨシ原でも見られます。

  • 行動・習性

    地面や朽木でアリを探して採食することが多く、地上近くの枝や岩の上でよく見られます。キツツキの仲間ですが木の幹を垂直に登ることはなく、一般の小鳥のように横枝に水平に止まります。危険を感じると首をくねらせて蛇のように威嚇します。

  • さえずり

    繁殖期に「クイクイクイ」「キィキィキィ」と甲高い大きな声でさえずります。モズの高鳴きと間違われることもあるほどの大声です。巣内の雛は「シャーシャー」と餌乞い声を発します。

主にアリを食べます。約10cmもある長い舌をアリの巣穴に差し込み、粘着性のある舌でアリを絡め捕ります。アリの卵や蛹も好んで食べ、そのほか蛾、クモ、甲虫類、カタツムリなども捕食します。

繁殖期は5〜7月頃。樹洞やキツツキの古巣、巣箱を利用して営巣し、自分で穴を掘ることはありません。7〜10個の卵を産み、雌雄交代で約12日間抱卵します。育雛期間は約22日で、雌雄で協力して雛を育てます。

ジンクスの語源になった鳥

「ジンクスがある」「ジンクスを破る」などでおなじみの「jinx(ジンクス)」という英単語。実はこの言葉の語源がアリスイだということをご存知でしょうか?アリスイの学名は「Jynx torquilla」。この「Jynx」がそのまま英語の「jinx」になりました。

なぜ小さな鳥が「まじない」を意味する言葉になったのでしょう?その理由は、アリスイ独特の威嚇行動にあります。敵に襲われると蛇のように首をくねらせるこの動きが、古代ヨーロッパの人々には魔術をかけているように見えたのです。ギリシャ神話では、妖精イユンクスがゼウスに恋の呪文をかけた罰としてこの鳥に姿を変えられたと伝えられ、以来アリスイは「恋の魔力を持つ鳥」として恋のおまじないに使われるようになりました。

学名
Jynx torquilla
英名
Eurasian Wryneck
渡り区分
漂鳥(北海道・東北では夏鳥、本州中部以西では冬鳥
分布
ユーラシア大陸に広く分布。日本では北海道と東北北部で夏鳥として繁殖し、本州中部以西では冬鳥として越冬します。関東地方から九州地方まで越冬期に観察されますが、個体数は多くありません。
生息地
大きさ
全長約18cm
体重
35g
寿命
野生下で約5-10年
珍しさ
ときどき見かける
冬季に関東以西のヨシ原や河川敷で観察できます。地味な保護色で見つけにくいですが、決まった時間に開けた横枝に出てくることがあります。「クイクイクイ」という特徴的な声を頼りに探しましょう。夏季は北海道や東北の疎林で繁殖を観察できます。
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※最も観察数が多い月を100とした場合の割合